とーずのブログ

音楽や日常に関する長い話をしていきます。不定期更新です。

なっがいなっがい米津玄師の全アルバムレビュー

米津玄師の全アルバムレビューをしていきます。長いです。

 

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diorama

(代表曲:ゴーゴー幽霊船)

 

米津玄師の狂気、中身、精神が全て出ているアルバム。このアルバムは正直リスナー厳選のような一面があるが、これに一度ハマるともう終わり。常に米津を欲し、米津曲を聴いていないと不安に陥る症状が出てくる。マジです。

 

ハチ時代を知る者や、前衛的な表現を好む人に好まれていることが多い。…と書くと変な曲やアップテンポの曲ばかりなのか、と思うが、乾涸びたバスひとつトイパトリオットなど、意外にも現在に通じる明るい曲やスローテンポの曲も多い(ハチをちょっと追いかけていた人なら分かると思う)。ただ、その明るい曲も歌詞が不穏だったりして面白い。個人的には恋と病熱心像放映が今でも光る屈指の名曲だと思う。

 

現在では見られない露骨な不協和音露骨な変拍子(といっても一般の人が聴くと自然に感じる)、奇々怪々なメロディラインなど、前衛的な表現が大量にあるのに全曲キャッチーで中毒性が高いため、リリース当時、彼の頭の中を疑ったファンは多いのでは。僕がそうです。

 

リード曲となっているゴーゴー幽霊船だが、マジで頭がおかしい。その声のサンプリングみたいなものはなんなんだ。幽霊か、幽霊なのか

リスナーに向かってなんだその右耳のギターは。

 

抄本もおかしい。耳コピした限りではギターが6本入っているし、声の挿入意図が謎すぎる。あとバンドサウンドなのに1分50秒イントロなのは凄い。てっきり初めはインスト曲だと思っていた。

こんな風に、このアルバムに関しては気になったことに言及していると全曲に触れることになってしまいキリがない。わけがわからないのにキャッチーな音楽に触れたい方は是非触れて見てくれ。このアルバム、全曲宅録というのがびっくりだわ。

 

このアルバムのコンセプト曲は…おそらく、多分、きっと、Black Sheepである。

彼はハチ時代から見ても、「例え全く意味の分からない歌詞でも、何の意味もない歌詞は書かない」という特徴がある。だが、彼の初期の曲は解釈が非常に難しいので黒い羊が何を表しているのか、歌詞が何を指しているのかを読み取ることはできない。

ただ、「ここは誰かのジオラマなのだ」という歌詞がある、アルバムと同じ単語が使われているということは、この曲に大事な意味が込められていることは間違いない。…と思う。というかジオラマってこのアルバムのことでは?

Black Sheep、全体的には米津玄師本人のことや周りの環境のことを描いた曲なのではないかと思っているが、実際のところは分からない。

 

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YANKEE

(代表曲:アイネクライネ)

 

名盤。ハチとしてのやりたい放題な米津玄師と、メジャーアーティストとしてのリスナーに寄り添う米津玄師の黄金比がここにある。

 

アイネクライネしか知らない(最近はLemonもか)人は多いと思うが、そういう人でもアルバム単位で好きになれるし、ハチ時代から追いかけている人でもアルバム単位で好きになれるのがこのYANKEEというアルバムだと思う。

メランコリーキッチンサンタマリア花に嵐海と山椒魚など個人的には名曲揃いのアルバム。クレイジー方面でもMAD HEAD LOVE百鬼夜行が強すぎる。

 

収録曲にとにかく多様性がある。

 

テンポ、曲調、使う楽器、アプローチ、歌詞、本当に多様性がある。多様性がありながらアルバムとしてまとまっていて、一曲一曲の破壊力も高い。本当に名盤だと思う。

 

個人的にはKARMA CITYが心底狂っていると思った。何か元ネタやインスピレーション元はあるのかもしれないが、2つのメロディが同時に存在するAメロ、統合されて広がるBメロ(サビ)に度肝を抜かれる。こんな音楽は彼でしか聴けない、と僕は思った。

 

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 Bremen

(代表曲:アンビリーバーズ/Flowerwall)

 

米津玄師が遠くへ行きたい時期のピーク。

Bremenというタイトルもそれを物語っている。ブレーメンの音楽隊になぞらえて、今いる場所より良い場所への逃避行を続ける彼自身を表しているのかもしれない。

 

正直に言うと、全体的に"薄いな"というのが僕の第一印象だった。ネットのレビューを見てみたが、やはり他にも同じように感じる人はいるらしい。確かに、YANKEEまでの彼の曲と比べると、一曲一曲のパンチは弱い。だが今では、俗に言う"スルメ曲"ばかりが集まった結果だと僕は思っている。

 

なぜ"薄いな"と感じたのか。

 

それは、彼自身が意識的に"普遍的"、"普通"、つまり"ポップス"に寄って行ったからだ。

 

初期アルバムのような変拍子は無い、不協和音もほとんど無い、音の使い方やメロディラインも、彼独特ではあっても「!?」となるような一発での味の濃さはない。

また、ハチ時代に作っていたあからさまなマイナーコードやアップテンポの曲がほとんどないというのも"薄い"と感じる原因だと思う。

だが、箸にも棒にもかからないアルバムというには早計すぎる。

 

曲をよく聴くと、実はそんなに特徴が無いわけではない。確かに初期に比べて毒はかなり抜かれているが、彼でしか見ることができないような歌詞の言葉選びや独特のメロディラインなどは、少し言葉や音を穏やかにしながらも垣間見える。また、一番大きな特徴は、今までの彼の曲より「米津玄師本人の感情」が非常に色濃く表れているように思える点である。

さらに、応援したり鼓舞したり励ましたり、そういった正の方向への歌詞がとても多くなっている。いや、このアルバムは全曲そうである。これは今までのアルバムにはなかった特徴だ。

それが物足りない、という方は一定数いると思う。僕もその一人だった。でも、何度か歌詞を理解しつつ聴き続けると、ポップで耳当たりの良い音や言葉に隠された米津玄師の怒りや葛藤が段々見えてくる。

ホープランドを例に挙げると、以前行ったライブのMCで本人が「この曲を書いた原動力は"怒り"」と語っていた。

 

こう聞くと、Bremenの収録曲たちに興味が湧いてこないだろうか?

 

このアルバムのコンセプト曲は確実にウィルオウィスプだと思う。この曲の歌詞内で、ブレーメンの音楽隊に例えられた"彼ら"は「僕らは行くよ 声を上げて 振り向かないよ」と言っている。これは明らかに決意の言葉である。

 

この時期に発売された雑誌(ROCKIN'ON JAPAN)の本人インタビューでは「今までやってきた自分のための音楽はやめて、人のために、普遍的で美しいものを作りたいと思うようになった」という旨を語っている。

 

彼はこの時、ハチという自分と、そんな自分が作る曲から脱却したかったのかもしれない。まさに、ハチからの"逃避行"である。

 

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BOOTLEG

(代表曲:LOSER/打上花火/灰色と青)

 

海賊版、とタイトルが付けられたこのアルバム。

収録されているMoonlightという曲の歌詞でこのアルバムのコンセプトが大体まとめられている。

この曲には「本物なんてひとつもない でも心地いい」「偽物なんだってだからどうした?本物なんてひとつもない」という歌詞がある。

 

現在我々が聴いている音楽は、全て過去の音楽の焼き直し/再解釈だと言っても過言ではない。

 

でも、音楽を聴いている我々は"そのアーティストのフィルターを通した再解釈"が見たいのだ。その本質を分かっていない人間は、しばしば似た曲を持ち出して「盗作だ」と騒ぎ出す節がある。もしかするとこの曲を作るにあたって、彼がそう言われた経験があったのかもしれない。

YouTubeで公開されている春雷のMVも、挿入される解像度の低い映像や、時代を感じるベースの音(詳しくないので下手なことは言わない)に意図的なものを感じるのは僕だけだろうか。

 

ちなみに、このアルバムには主題歌やコラボ曲が多く収録されており、"米津玄師の活躍"を見ることができる。引きこもり(自称)だった彼は、確実に変化・進化している。人との関わりを拒絶してきた米津玄師が心を開いてきているのだ。(本人も証言済み)

 

先ほども言及したMoonlightには「「自分の思うように あるがままでいなさい」 ありがとう でもお腹いっぱい」という歌詞がある。

彼は今、これまでやってきたような自分の100%やりたい音楽、自分一人で完結する音楽はもういいや、と思っていそうだ。

 

さて、このBOOTLEG、サウンドはもちろん歌詞が飛躍的に味わい深くなった印象。今までは中身に何かヤバイものが隠されている濃い味の異国料理という印象だったが、このアルバムでは繊細で複雑、噛むたびに味や食感の違う日本料理という印象になっている。

また細かい話をすると、このアルバム、音圧が高い。DAWに突っ込んで波形も見てみたが、いわゆる海苔波形の一歩手前だ。これはエンジニアの個性なのか、コンセプトがあってのことなのか…流石にそこまではわかりかねるが…

もしかすると、味の薄い和食でも若者が食べやすいよう、パンチのある味を加えるために音圧を上げているのかもしれない。

 

前作Bremenで聴くのをやめた人、是非このアルバムで戻ってきて欲しい。

 

そして初期米津じゃないとキライ!という方は、爱丽丝 という曲を聴いて欲しい。彼は初期のような曲を"作れなくなった"のではなく、"作らなくなった"ことがお分かりいただけると思う。ただ、この爱丽丝 という曲も単なる過去の米津玄師の焼き直し、懐古というわけではない。ギター/アレンジにKing Gnuの常田大希、ベースに八十八ヶ所巡礼のマーガレット廣井を迎え、米津玄師一人では聴けなかった新しいサウンドになっている。新ステージに入り込んだ米津玄師、良いぞ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あとがき

 

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?つらつらと長文をすみません。

 

これを機に、ハチは好きだったけど米津玄師は嫌いな人ハチも米津玄師もどちらも嫌いな人が、米津玄師に抱いている(偏見)

「メジャーに移った癖にマジミラでボカロ界に帰ってきたと思ったらイキってニコニコをディスったイタいやつ」

というイメージが払拭されれば良いと思います。マジで。

 

ハチは嫌いだったけど米津玄師は好きな人、どちらも好きな人そもそもハチ=米津玄師を知らなかった人アイネクライネしか聴いたことない人も、これを機に米津玄師に興味を持ってくれると僕が嬉しいです。一緒に米津を語ろう。カラオケで米津を歌おう。

 

アイネクライネしか知らない、ピースサインしか知らない、LOSERだけしか聴いてない、結構じゃないか。他にも良い曲あるから聴いてみようぜ。

 

ということで勢い付いて僕もイキッたところでお別れです。また何かの記事でお会いしましょう。

 

では。

Psychedelic Trash vol.3とかいう問題作

どうも。ブログではめちゃくちゃお久しぶりです、髪が伸びすぎて友人から「出来損ないの米津玄師」と評されたとーずです。それ俺にも玄米師匠にも失礼だからやめろ。あと全然関係ないけど米津玄師と俺との身長差は40cmある。

 

さて。本日12月23日お昼ごろ、絶滅レコーズからコンピレーションアルバム、Psychedelic Trash vol.3がリリースされました。されてしまいました。

rjnk.bandcamp.com

 

このコンピはPsychedelic Trashシリーズの3回目で、僕は今のところ皆勤賞なんですが、本当にやりたい放題できるコンピなんですよね。

とりあえず宣伝をば。

rjnk.bandcamp.com

rjnk.bandcamp.com

ただ、ちょっと待ってくれ。vol.3、何かがおかしい。色々とおかしい。

そもそも何ですか3のこのジャケ。

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Psychedelic Trash vol.1のジャケの上に「3」って書いてあるのヤバすぎませんか?しかもXMASって書いてるところにTRASH上書き。雑という概念が形を成して顕現している。

 

 

まあいいです。とりあえず落ち着いて今回のコンピの概要を確認してみましょう。

rjnk — Psychedelic Trash vol.3 やります!

いいですか?コンセプトは頭に入りましたか?それではレビュー始めます。ぜひアルバムを聴きながらご覧くださいませ。

 

 

1.つなまよクン - よーこそ

 真っ当で可愛いクリスマスソングです。「よーこそ」というタイトルも、ジングルベルも、ボカロ(GUMI?)のコーラスもかわいい。そして最後までクリスマスソングを全うして終わります。強いて言うなら「うー」と「あー」と「メリークリスマス」しか言ってないのが雑?でもそれも気にならないくらい普通に可愛くて良いです。「ゆきやまちほー」って感じがする。癒し。良心。

  しかも始まり始まり、という雰囲気に満ちていますね。 

 このコンピではクリスマス要素が取り入れられてない曲が多かったのですが、この曲はとてもクリスマスソングです。導入としてとても優しい。とてもとても優しい。

 Welcome to よーこそ サイトラって感じで優しくサイトラまんをくれて、普通に景色の綺麗なところを案内してくれそうな感じ。何故ゴミ捨て場に行きついてしまったんだ。たぶん方向音痴なんでしょうね。かわいい。僕は何を言っているんだ。

 

 

2.マグロジュース feat.flower - ふなむしすし

 さて、雲行きがおかしい。さっきの安心を返せ。イントロでなんとなく「男女」を彷彿とさせるようなシンセリフ。そして突き刺さる合成音声の「フナムシスシ」。「ヘイオマチ」の直後にはflowerが、あの可愛いflowerが、

 

 

 

「ンアーーーーーーーーーーーー」

「オ、オエーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「無理~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

 

 

 何食わせてんですか。海の掃除屋ことフナムシを食わせないであげてください。

 そしてまた突然突き刺さる「イーヤーサーサー」というマグロジュースさんの生声。

 するとなんと、アカペラ&ボイスパーカッション(?)に。いや訂正、ボイスパーカッションじゃないですこれ。「うん。うん。うん。うん。」って言ってるだけです。バスドラムを舐めるな。そしてイントロのリフを微妙な空気感と優しい歌声で歌い上げるな。「お前んちの飼ってる猫パサパサして撫でにくい」ってどういうことですか?全く脈絡がない。

 そしてまたflowerが「おえーーーー」「おえーーーー」ってえづき始めたかと思いきや始まるアカペラでのケチャ。忙しすぎる。つーかバレないようにケチャに紛れて「ピカチュウ」って言ってるでしょ。奥でflowerもなんか「気持ち悪い~~~~~~」とか言ってるし。

 ごっくん音と共に曲はネチャネチャ部へと移行。さてはflower、ふなむしすし飲み込んだな。ねっとりした「ふなむしすし」の奔流を存分に楽しんだら、flowerが気持ちよくなって嘔吐。そして曲は再びアカペラ部へ。

 「うん。うん。うん。うん。」を繰り返し、かと思いきや突然挿入される「いいよ」。

 何が?

 そして「うん。うん。うん。うん。」再開。そのまま突っ切ってオチは

 

雲仙普賢岳

 

 は?

 

 カルデラの海に沈められた気分です。

 意味が一つもわからないですが、ただ一つだけ言えるのはこの曲はどこに出しても恥ずかしいゴミだということ。もちろん誉め言葉で言っています。僕はこういうコミカルな方面のゴミは新鮮な感じがしました。もしかしたらこの曲に意味なんてないんじゃないか…?

 「よーこそ」から入って油断したリスナーにドギツい一撃をくらわす、素晴らしい曲だと思います。少なくとも僕はネタ抜きで好き。

 

 

3.ゆらぎと破片 - 目の前の黒い塀が気に入らないので木魚を叩いて踊っています

 Psychedelic Trash vol.1の時から皆勤、ゆらぎと破片さん。特徴的な文章でのタイトルは健在で、一目で誰の曲だかわかりました。意味不明さも健在。前回なんか勝手に名前使われて化粧品のサンプル頼まれてましたし。

 今回、今までのサイトラに参加したゆらぎと破片さんの曲よりも目立った前衛的要素が少ないと僕は感じました。普通にかっこいい。ドラムがタイトでクール。おそらくサンプリングですかね?そして、テンポダウンしてシタールの演奏の逆再生の様な音遊び。「踊っています」要素はここなんでしょうか。しばらくシタールが鳴った後にまたタイトなドラムが戻ってくるのですが、これがシタール部分と対称的でパキパキしていてかっこいいです。ドラムが鳴っているときにはもれなく木魚が鳴っているのですが、この音がまた結構マッチしている。

 また、Psychedelic Trash vol.1でのゆらぎと破片さんの曲、「私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください」で使用されたであろうギターの音も聞こえる気がします。同じ方の曲を時系列順に何曲か聴いていると面白い発見がありますね。

 ゴミというよりはサイケ寄りなのかな?と感じた一曲でした。

 

 

4.loveles - psycho dub

 今回のサイトラ3での良心その2、lovelesさん。普通に曲がかっこいいです。この曲もゴミというよりサイケデリックな感じ。シンプルに繰り返すベースリフ、段々重なっていく楽器群、かっこいい。

 人の声を音ネタとして使用していらっしゃいますが、これ音声ライブラリなんかに普通にあるのでしょうか?それとも何かの曲からのサンプリング…?僕はそっち方向にめちゃくちゃ疎いので気になりました。

 曲の中盤ではドラムのタイトなフィルインから、オシャレでかっこいいリズム主体へ。途中入るギターやギターと一緒に入ってくるボーカル音源?(Bobby McFerrinの歌声に激似だと思ったんですがサンプリングしてたりしますかね…)もクールでとても好きです。

 2:40くらいからのベース主体になる展開に僕は痺れました。かっけえ~~~

 

5.MSS Sound System - Called JAZZ

 出だしから音の奔流。ノイズ。「聴く毒(強め)」と言えるレベルです。シンセの段々上がっていく"ぶわあーぶわあーー"って音、MSSさん結構お気に入りで色んな曲に使ってますよね。このフレーズ「MSSさんだ~~」って思うし、とても狂気だと思います。好き。

 そして何より、この曲にはメロディもなければコードもなく、途中入ってくるjuke的なドラムが何とか音楽性を保っているのみ。いやメロディもコードもないノイズミュージックとかいうジャンルもありますけど、それは一般的には「音楽」だとは思われない領域。最高です。なんだか灰野敬二を思い出しました。そしてまた入る別のリズムパターン、重いキック。ツボですね。

 一つ残る疑問は、この曲のタイトルが「Called JAZZ」なことです。音楽的にはジャズ要素がほとんどないんですよね。サンプリング元にサックスらしき音が聞こえるかな…?くらい。

 僕は、音楽的な面ではなく精神的な面で、すべてのジャズに通じる(フリージャズというジャンルに特に特徴的な)「自由」「何でもあり」「やったもん勝ち」的な要素をこの曲に感じました。つまりそういうことなのでしょうか?

 

 

6.solidsmoke - 夜と星と雲と、貴方の最後のかがやき

 鉄板の人、そりすもさんことsolidsmokeさんです。インダストリアル畑の方だけあって、やはりリズムを担う楽器に鉄の香りがすることすること。一週目はタイトルや名前を見ずに聴いていたのですが、そりすもさんだと一発で分かりました。なんだかシンセの音からも鉄の香りがするようです。

 聴いているうちにそう感じてきたのですが、これはタイトルも含めてそりすもさんなりのクリスマスソングなのではないでしょうか?時折聴こえる女の子の声(蒼姫ラピスでしょうか?)が、鉄の頑健さや錆、荒々しさだけでなく、なんとなく冬の切なさや儚さも演出しているように思えました。

 このノイジーなサウンドでこんな儚げな、ピアノでイントロが始まりそうなタイトルなのもなんだか趣があって、どこか虚無で、すごく良いです。好き。

 

 

7.たのしいマグロダンスP - 砂漠の重みをください

 はい来た。一番の問題作。ここからの5曲は連作です。一応一曲(曲…?)ごとにレビューしていきます。

 まず再生が始まってすぐこの右ストレートパンチ。環境音入ってますが大丈夫ですか。あ、大丈夫ですか。そうですか。あとプレミアムフライデーの割にそんなに嬉しそうじゃないですが大丈夫ですか?あ、大丈夫ですか。

 あの、この後の作品にも言えるんですけど、ずっと棒読みなうえに文脈がめちゃめちゃで、もういっそ怖いんですよね。曲なのかこれ?申し訳ないんですけど3週目くらいまでは声出して笑いながら聞いてました。すみません。いやすみませんじゃなくて。笑うでしょこんなん。

 金曜日の金曜日って何ですか?ムーンライト磁石現象ってなんですか?「そっか」ってなんですか?何をどう自己解決させたんですか?しかも全然興味なさそう。

 ああもうだめです。聞けば聞くほど抜け出せない。ぶっちぎりでゴミ。れっきとしたゴミ。でもなんかハマる。助けてください。アルバムって何?

 

8.たのしいマグロダンスP - 不安定な家

 なんでこんな不安定なんやはこっちの台詞です。お願いだからせめて音楽を奏でて。裏で友達にギターを弾かせないでください。というかご友人の方、声入ってます。録音中は気を遣ってあげてください。あとステファニーのことは許してあげて。つーか自分で言って自分で笑うな。

 

9.たのしいマグロダンスP - お散歩に金塊は要らない

 もう意味が解りません。いや今までの作品ただの一度もわかってないんですけど、2が妄想の数字って何?何をどうしたらそんな発想が出てくるの?天才なんですか?ツイッターでは割とまともに会話できてたじゃないですか…

 それと「じゃあ3は女性のおっぱいなんか?あ?」じゃないです。そもそも2も女性のお尻ではないです。

 

10.たのしいマグロダンスP - ツンドラ

 もうこれがとてもまともに見えてきました。一番ワードチョイスや言葉の響きが綺麗だと思います。恋とか満天の桜とか。あとさっきから気づいてたんですが、タイトル一切関係ないですよね?土を大盛にすな。

 

11.たのしいマグロダンスP - DONGURI

 指に詰まった土は汚いので洗ってください。世界を壊さないでくれ。どーん ぐりっ☆彡じゃないです。それをタイトルにするな。

 間違いなく圧倒的にぶっちぎりで文句なしのナンバーワンのゴミです。今回のMVG。モストヴァリアブルゴミ。おめでとうございます。魚介類ってヤバいですね。

 

 

12.C.C.C.P. - Live950723

 ギターの音から始まり、濃い、それは濃いメタル色の音がかき鳴らされます。これ、タイトルからしてもしかして1995年7月23日のライブ音源なのでしょうか?それにしてもかっこいい。勢いがすごいですね。サイトラvol.1でsolidsmokeさんが発表した曲「attention」を思い出しました。メロディの不在だとかゴミっぽい要素はあるんですけど、ギターがギュンギュンに歪んでるからそれだけでかっこいい。僕も一応男の子なので。

 声もいい声をしていると思います。定型的なデスボイスでもなければ、キーキーしてるわけでもなく(それも好きですが)、素敵。悪い意味ではなく、濁声というか。曲が終わって最後のほうになんか別の曲が若干入ってるのもかなり雑で好感度アップです。なんか上から目線っぽくなっちゃってすみません。好きです。

 

 

13.鈴木O - 空転

 ゴミという定義の生みの親?鈴木Oさんです。40秒弱と短いですが、楽曲はなかなかの濃さです。息が詰まりそう。音使いや音の連打具合が聞き手をよく疲弊させてくれます。しかも、40秒無い中にしっかりストリングス(?)やORIGAMI-Iの声を入れています。

 主観的な話になってしまいますが、鈴木Oさんの曲はORIGAMI-Iを使っているからでしょうか?全般的に歌詞が聞き取りにくい(これはけして否定的な意味で言っているわけではありません)のと、聞き取れた部分があってもタイトルとの関係性が見つからないので、サウンドも相まってどこか神秘的で陰のある印象です。音の使い方が大きく関係してくるでしょうが、今回はその「陰」の部分を強く感じました。

 鈴木Oさんは普段サンプリングで曲を作っていらっしゃいますが、これもやはりサンプリングなのでしょうか?

 

 

14.loveles - baiao

 サイトラ3における良心その2、lovelesさんの2曲目。これはイントロからギターがカッコよすぎます。超クール。ベースもシンプルなリフながらキマっていて最高にかっこいい。サンプリングか、演奏か、はたまた打ち込みか…途中入るサイレンのようなシンセやゲームの様な8bitシンセもいい味を出しており、合間に入るギターソロがチープなシンセの音と対になって浮き彫りになり、とてもかっこいいです。

 また、後半の盛り上がりではブラスセクションも入ってきて、金管楽器プレイヤーの僕としてはテンションが上がります。

 完全に偏見と憶測で発言しますが、ラップを嗜まれる方はこのビートにのせて韻を踏みたくなってしまうのではないでしょうか。僕はこの曲に合わせて愛器のトロンボーンを持ってセッションしたくなりました。聴いて良し、演って良しの素晴らしい曲だと思います。

 

 

15.ebizil - コインランドリーの宇宙的共鳴から導き出す感動

 全く関係ない、完全に僕が言いたいだけの情報ですが、以前僕もコインランドリーを題材に使って曲を書いたことがあるのでとても親近感が湧きました。すみませんそれが言いたかっただけです。

 曲は、ワクワクを感じさせるような低音マシマシのリリースが長いキックに、空間を埋めるような不穏なシンセたちが期待と不安を煽ります。途中からはドラムンベース(ジャンル合ってますか?)のようなリズムパターンのドラムトラックをのせ、疾走感のあるダークでクールな雰囲気を醸し出しておりとても好みの曲です。混沌とした空気感がサイケデリック。偏見ですがアングラなヤバめのお店でこの曲が店内BGMとして流れてそう。

 

 

16.硬いとば - 十三階で埃がたった

 最初からカオスです。「ぽよ~ん」と形容されそうな音に、ノイズのような不協和音、拍子やリズムの欠落、歌うことを放棄した電子音声のボーカル。右から聞こえる歪んだギターの様なノイズと左から聞こえるねっとりとした不協和音が混ざり合って恐怖すら生んでいます。この曲を夜中に聴いたら泣きそう。途中からはピアノ?も積極的に不協和音を鳴らし、低音のうなり声のような音がさらに恐怖を煽る。右耳がヤバい。なんだか儀式的で、この記事を書いている今もマジで怖くなってきました。コンセプトの一つである「貰っても嬉しくないプレゼント」はぶっちぎりでこれです。呪われそうだもん。

 歌詞もタイトルも意味不明。布団の上でケチャをする状況って何ですか。まず聞き取れないのも怖い…十三階っていうのもなんだか不吉ですね。なんとか考察してみようと思ったりもしたのですが、さすがに情報不足なのと意図が汲み取れないので断念。ゴミですねえ~。誉め言葉です。

 この曲からは、なんだかクラシックの現代音楽に似通ったものを感じます。カールマイヤーとかと似た臭いを俺の耳は嗅ぎつけた。もしかしたら本当に何の意味も脈絡もなく音が鳴っているのかもしれませんが、何か意図を感じさせるような説得力がこの曲にはあるような気がしました。気のせいかもしれませんね。

 

 

17.Jake - 白い息、背中を丸めて

 しばらく姿を消していたJake氏、復活です。Jakeさんも鈴木Oさんと同じくサンプリングで曲を作るタイプの方です。イントロ、僕は知らない曲ですが、普通に綺麗。かと思いきやすぐにキーの合っていないギターのアルペジオフレーズがさも当たり前かの様に乗ってきます。リズムトラックの金属感のある音がなんとなく冬や雪を連想させる、というのは考えすぎでしょうか。いやいや、ギターも深いリバーブがかかっているフレーズを選んでサンプリングされているので、きっと音から感じる寒さは意図されたものであって、気のせいではないはずです。そうであってくれ。違ったら恥ずかしい。

 中盤からはミクの歌声も入りますが、やはり見事に伴奏のキーとあっていません。というか合わせる基準のキーはどこだ。Psychedelic Trash vol.1に収録されているJakeさんの曲「T.R.Ash」でも、サンプリングされているミクの歌声はそういった使われ方をしていましたね。「違和感」と「ゴミ」は密接に関係している、という解釈でいいのでしょうか。

 ただどちらの曲にも共通して言えるのが、不協和音だらけで違和感ばかりの音の重なりのはずなのに、どこか美しいということです。これはもしかすると、調べてみたら鈴木Oさんの提唱した「イノセンス」と共通する部分もあるかもしれませんね。どこかの誰かがゴミとイノセンスの関係性について論文を書いてくれるのを待ちましょう。

 

 

18.suppaピスタチオ - あわてていいざんす

 先程も少し触れた「イノセンス」がボーカロイド界隈で囁かれるようになった頃からボーカロイド界隈に殴り込みをかけ、今まで全く関わりのなかったボーカロイド文化をスポンジのように吸収したヤバいお方、suppaピスタチオさん(ツイッターでは「スッパマイクロパンチョップ」)の楽曲。

 タイトルと音がアホみたいなのに、なんか音楽的素養というか、そういうものを感じるんですよね。シンセの音?音の重ね方?なんだろう、理解できません。普通にゴミです。でも良い。なんか理性的で思想的な気がする。そうでなくとも、55秒という短い時間でそう勘違いさせられる力を持っている時点で、この曲は「つよいゴミ」の称号を受け取ってもよいのではないでしょうか。

 

 

19.鈴木O - 四限

 キングオブゴミ、サティさんのゴミではないクラシック曲「ジムノペディ」にのせて歪んだギターの音が聴こえます。このギターの音、僕は最初に聴いたときパッと浮かんだ形容詞が「甘い」だったんですよね。なんでだろう。何度聞いても「甘い歪み」としか形容できません。

 また、「空転」より歌詞が聞き取りやすいです。歌いだしは「夏の匂いがした 窓の外」と聞き取ることができました。

 ここから思い起こされるのは、やはり「イノセンス」です。ピュア。どこまでもピュアな心象風景。鈴木Oさんはサイトラ3で2曲収録されていますが、こちらの曲のほうが音が優しく、また違和感も少なめですよね。恐らく鈴木Oさんはこちらの「四限」では「ゴミ」より「イノセンス」を表に出して作曲されたのではないでしょうか。とても美しいです。曲の短さも儚さに拍車をかけていて素晴らしい。

 

 

20.キヅミタ - 謝罪

 すみません、さすがに笑ってしまいました。

 これ、キヅミタさんの生声による本気の謝罪です。要約すると、自分が号泣する泣き声を使った曲を提出するつもりが、借りた映画を見ても全く泣くことができず、失敗しちゃってすみませんということらしいです。説明してて自分で笑っちゃってるじゃないですか。こんなん笑いますよ。ずるい。

 あと後ろに副音声みたいな、謎の合成音声(たぶん英語)が流れてるのもシュール。何でこれを入れたのかわけが分からないです。

 それと聞きたいんですが、たのしいマグロダンスPさんと打ち合わせしてないですよね?なんで「音楽すら流れないただの語り」という要素が「音楽アルバム内」で丸被りするんですか?え?

 ただ、これ即興で喋ってるとしたらかなりの話術だと思いませんか?

 話が面白い。さすがだと思いました。

 あれ?これ俺何のレビューしてるんだっけ?

 音楽アルバムで「話が面白い」ってレビュー何なんだよ。最後のメリークリスマスが取って付けたような感じなのが高ポイント。

 

 

21.rjnk - こんばんわ

 サイトラシリーズを通して主催・マスタリングもされているrjnkさんです。一貫して鳴っているベースはサンプリングでしょうか。シンプルながらも飽きない。それに骨のあるドラムが加わり、めちゃくちゃかっこいいです。ブラスもナイスすぎる。単品で聞いたら間抜けに聞こえるであろうジョンレノンのピッチ上げた声もなんだかカッコよくハマっている。

 それと、ドラムに耳を澄ませてみると、rjnkさん家ご在宅の大御所アーティスト、オカメインコのポコさんの声が聞こえるんですよ。ご本人から伺ったのですが、ロバート・ジョンソンカーティス・メイフィールドビートルズジョン・レノンレッド・ツェッペリンオカメインコが混ざっているそうです。全く違和感がないどころかサウンドを昇華させているポコさん、やはりタダモノではない。So this is Christmas.

 

 

22.loveles - reggae xmas

 真っ当なクリスマスソング第二弾です。やはりまともなクリスマスソングを出したのはサイトラの良心だけでしたね。

 冬を感じさせるストリングス、雪をイメージさせるキラキラしたウワモノ、跳ねるレゲエベース、リズムトラックの絡みがとても良い。普通にいい曲です。砂漠を歩いていたらオアシスが見つかった感じ。サイトラに君臨するオアシス。エロいサックスや女性コーラス、ギターのしっとりしたフレーズも聴き入ってしまいますね。メリークリスマス。

 これも14曲目のbaiaoの様に、聴いて良し、演って良しの曲(ラップつけたりボーカルつけたりできそうですね)だと思います。この状態で完成されてはいますが、これに自分ならこういうメロディを乗せるな~なんて考えるのも、音楽の一つの楽しみ方ではないでしょうか。

 

 

23.とーず - 煩悩

 僕の曲です。一人だけ時間を飛び越えて既に年越して、除夜の鐘を鳴らしています。すみません。ちなみに鐘は曲中できっちり108回鳴っています。綺麗なゴミを作ろうとした結果こうなりました。

 ぎりぎりまでタイトルを「胎動」にするか「煩悩」にするか迷っていたのですが、結果「煩悩」にしてよかったと思っています。また、曲の尺も結構悩んだのですが長い曲を提出したのは僕だけだったので結果オーライでした。

 僕は楽曲がゴミである要素のひとつとして、「冗長」「退屈」「雑」などを自分で勝手に掲げているので前奏が1分超、後奏が5分超とかいう曲になってしまいました。本当に難しいです。ゴミは哲学。

 

 

24.平田義久 - 主題、要旨と序論。(Remix)

 Psychedelic Trash vol.1で一曲目を飾った平田義久さんが、年内最後のサイトラでトリを飾りました。この曲めちゃめちゃかっこいいです。

 もんもんと耳に来る効果音的な音から始まり、段々とシンセのフレーズがフェードインしてきて、今度はそれがどんどんうねって崩れていきます。そしてやがてシンセの音は元に戻り、楽器が加わってハンドクラップやノイズのような音の奔流に飲み込まれたのち、ブラスセクションが入り、疾走感たっぷりのなんとなく日本民謡っぽいフレーズが奏でられます。この構成やテンポ感、間なんかが素晴らしい。全然飽きない。ハンドクラップでライヒを思い出してしまいました。もしかしてオマージュ?

 また、2:26あたりからのオルガンソロが見もの。スリリングでスタイリッシュ、息もつかせぬ展開に心奪われます。

 この曲はリミックスということですが、原曲がとても気になります。一応検索もかけてみましたが見つかりませんでした。平田さんが販売しているLPなどに収録されている曲なのでしょうか。

 ゴミと呼ぶのは失礼でもったいない曲かもしれませんが、12月は師走と名の付く月ですし、そのバタバタ感も表してくれているこの曲でPsychedelic Trash vol.3の締めとするのはとても良いのではないでしょうか。

 

 

 

 以上、Psychedelic Trash vol.3のレビューでした。

 コンセプトを守れ。特に俺。気が早い。

自分の曲を書くときの手順を振り返ってみる(とーずの場合)

蟻坂 さんの記事 https://auramorte.com/process-of-compose/ に便乗したタチやんさんの記事 http://mofday.info/process-of-compose/ にさらに便乗したyellow_lineさん( https://yellow-linep.tumblr.com/post/162816597718/雑記自分の曲を書くときの手順を振り返ってみるyellowlineの場合)にまたもや便乗した記事です。面白いなこの企画みたいなもの。


早速始めていきます。


1.アイデア出しーーーーーーーーー


  そもそも僕は、これから作る、というものが決まっていないんですよ。ほとんどは曲先という共通点はあれど、そうは言いつつ詞先のこともあるし、リフから思いつくこともあるし、ベースから思いつくことも、サビのメロから思いつくことも、展開から思いつくこともある。その「思いつき」から僕の作曲は始まります。


また、その「思いつき」についてですが、僕は信条および性癖として「曲中のどこか少なくとも一ヶ所(展開・音色・音使い・拍子・リズムなど)は奇を衒う」というものを持っているので、それに則ったものが出てきます。興味がある方はよろしければ僕のニコニコ動画マイリストを漁ってみてください。スケールから音を外さず、常に4拍子で、一般的な構成・メロ・伴奏で作っている曲は一切ありません。一切ないと言いきれます。


僕のマイリスト

http://www.nicovideo.jp/mylist/57247653


普通のものが嫌いとかダメとかそういうわけではありません。そういうのも大好きです。ただ僕はあんまりやらないな、というそれだけです。



2.広げるーーーーーーーーーーーーー


   思いついたものをどんどん広げていきます。ここでは、僕の作曲においてかなり多い"イントロのメインメロディ(フレーズ)を思いついた場合"を例にとってみます。

  まず、それに合わさるドラム・ベースを考えます。ベースは余程「素直な聴こえ方にしたい」という意図がある時以外、メインフレーズに合わせてもうとにかく動かします。(このときコードを考えながら音を置いている場合がほとんどです)ベースが裏メロを取っているようなイメージです。


(宣伝にはなりますが、ベースが裏メロを取っているというのがわかりやすい自分の曲をあげておきます。参考までにどうぞ


イントロのベースが裏メロ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm29819528


Aメロのベースが裏メロ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm29161861

とても音質が悪いので、こちらの方がいいかもしれません↓

https://soundcloud.com/user-511260561/245a-1

)


さらに、ドラムを付けていきます。僕は2・4拍目と少しずらしてスネアを配置したり、ドラム単体で聴くと拍子がよく分からないようなリズムを好みます。基本的にはその場でその時パッと思いついたリズムパターンを打ち込みます。


思いついたらそのぶんポンポン打ち込んでいくので、先にイントロがぜんぶ出来てしまう場合もあれば、サビまでベースドラムだけ一気に打ち込んでしまう、ということもあります。ちなみにその場合、たいてい脳内ではほかの楽器もぜんぶ鳴っています。


3.続き作成・編曲ーーーーーーーーー


次は、中音域を司るギター・シンセ・ピアノなどを打ち込む(コードのセブンスやナインスなどの細かいところもこの時かんがえます)のと同時進行で、さっき作ったところまでの続きの展開を考えていきます。この作業に関しては、この段階でもう既に満足できるほど奇を衒っていることがほとんどなので、割と素直に打ち込む場合が多いです。

とはいっても、単なるコードじゃら〜んとか、シンセブァー鳴らしとかは少ないです。裏メロのようにコード構成音を鳴らしたり、トップノートを動かしてオブリガートのようにしたりetc...


(4.飛び道具をつける)ーーーーーーーー


  この作業は省略されることもあります。なんか物足りないな、なんか音が薄いなと思った時、もしくは唐突に頭のおかしいアイデアを閃いたとき、シンセのつまみ・エフェクター・サンプリング・環境音、様々なものを駆使して変な音を入れます。僕の中では何かを表していたり、意味のある音なので許してください。


5.歌詞作成ーーーーーーーーーーー


メロディに合うように歌詞をつけていきます。ここでコンセプトが決まっていたり、サビだけなど一部の歌詞ができていたり、はたまた何も出来ていなかったりします。言葉の響きとメロディの兼ね合いで、うまいこと調整していきます。


6.ボーカル打ち込み・調声ーーーーー


  ボーカロイド曲を作る時に加わる工程です。ピッチ、ダイナミクス、ベロシティ、ジェンダー、意外といろいろいじってます。これは機会があればまた個別に話します。



7.音量調整・Mix作業ーーーーーーー


  僕はStudioOnePrimeを使っているので、Mixのプラグインは付属のものしか使っていません。(外部プラグインは使えないんです。無料ユーザーの性だね)

まず個々の音量調整とパン振り、EQです。全楽器、最大までブーストして耳に痛い帯域を探り、そこを下げ、欲しい・おいしい帯域を上げていきます。下げたところと上げたいところが同じでもほぼお構いなしです。この作業は最近必ずやっています。

そしてリバーブなどエフェクターの細かい調整、ブーストやカットをしたためズレた音量の再調整をして終了です。


なおぼくはマスタリングと呼ばれるような行為はしておりません。付属のマキシマイザー・リミッター・コンプレッサーがないからです。

ですが最近Traction5という無料DAWのおかげで、フリーのリミッタープラグインを使えるようになりました。うれしい

ですので、まだ試行錯誤中ですがリミッターは使い始めました。音圧が違うぜ!



以上で終わりです。

振り返ってみると僕ヤバイですね。作り方行き当たりばったりな上にメチャクチャじゃないかw

でもこんな作り方でこんな変な曲を作っている人が一人くらいいてもいいのかもしれませんね。


最後に最近作ったMSS Sound Systemさんのカバー「Black Black Dream」を貼らせて頂きます。よかったら聴いてください


http://www.nicovideo.jp/watch/sm31510756


245という自分の曲の話

こんにちは。絶賛頭痛が止まらないとーずです。

突然ですが、みなさん、私のこの曲を聴いたことがありますか?

【オリジナル】 245 【IA】 (3:48)

http://nico.ms/sm29161861

‪この曲について、「ハチを意識してるのか?」ってコメントがあって面白かったので記事を書いてみました。確かに、オレンジの背景にこのPV形式は嫌でもマトリョシカを思い起こしますよね。これはもちろん故意です。‬

この曲のテーマは、「リスナーとクリエイターの意識のズレ」となっています。

ハチさんを例にあげて話をしてみましょう。

彼は、そう多作ではありませんでしたが、一定の人気を博していました。PVや歌詞にある独特の世界観、また独創的なメロディやトラックがウケたんですね。

そんな中、ハチさんは「たまにはこんなものを」ということで、特に意味の無い(あるかもしれませんが、少なくとも今までの曲よりは遥かに無意味に思える)歌詞で、サウンドも彼にしてはものすごくわかりやすい、本人曰く「馬鹿っぽくてどんちゃんした」曲「マトリョシカ」を出します。すると、今までのリスナーだけではなく、新規リスナーの耳も捕らえ、大人気の伝説入り曲となりました。

ハチさん本人は何も仰ってませんが、人気になった直後、嬉しいと同時に「やっぱりお前らこんなのが好きなんだな」と思ったのではないでしょうか。

ここで、僕の曲に話を戻してみましょう。

この曲には皮肉が沢山入っています。それは歌詞だけでなく、(自分で言うのもどうかと思いますが)そもそもこの鮮烈で刺激的な曲調、目まぐるしい変拍子、慌ただしいテンポ、というサウンドそのものが皮肉となっています。

これは、曲を作った当時のボーカロイドランキング入り曲の特徴を踏襲したり、歌詞が気にならないほど刺激の強いサウンドを選んだ、というものです。結局お前らこんなん好きだろ、というわけですね。(結果はご覧の通りですが)

ちなみに変拍子は趣味です。

こういうことを作者自身から言うのもどうなんだろうという感じですが、この曲はかなり思い入れがあり、この機会ですし話してみました。

PVの随所にもそういった要素を散りばめていますので、ご覧頂けると嬉しく思います。もちろん、頭空っぽで何も考えず聴いてくれても嬉しいですよ。

あまり関係はないですが、テーマが酷似している曲を見つけましたので参考までに貼っておきます。人気実力共に僕とは比べ物になりませんね。是非視聴してみてください。

鬱Pー食事

http://www.nicovideo.jp/watch/sm26875129

Psychedelic Trash vol.2に向けて

こんにちは、近頃の平均睡眠時間が15時間のとーずです。

 

最近、Psychedelic Trash vol.2というコンピに向けて色々考えまくっているのですが、もう煮詰まりに煮詰まり、煮詰まりすぎて焦げています。ゴミってなんだ?サイケってなんだ?映画音楽ってなんだ?禅問答と哲学の繰り返し、人生の意味まで考え出す始末です。手に負えねー

Psychedelic Trash vol.2

https://rjnk.tumblr.com/post/157648164251/psychedelic-trash-vol2-%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99

 

 

いや本当に難しいんですよ。僕の誇れるところを活かそうとストラヴィンスキーに頼ったり、バルトークに頼ったりしたんですがやっぱ慣れないことは駄目ですね。サンプリングできる人すごいですよ

 

というわけで、原点回帰、前回参加させて頂いたPsychedelic Trash vol.1(2017/1/1リリース)のレビューをしようと思います。

キヅ〇タさんに影響されたわけじゃありませんよ。違います、違いますったら。うわなにをするやめ

http://kidsumita.hatenablog.com/entry/2017/03/31/003741

 

というわけで早速始めていきます。

 

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Psychedelic Trash vol.1

https://rjnk.bandcamp.com/album/psychedelic-trash-vol-1

 

 

1.つぎの祭りへ 

        平田義久 feat. 初音ミク

 

    このコンピを再生して、最初に耳に入ってくるのがこれ。最初のティンバレスがなんだかレゲエです。そしてゴワァァァアンと豪快に鳴る銅鑼、その後のギター、平田さん本人はどういう意図で作ったかは分かりませんが、個人的にはダサさとかっこよさのちょうどいい中間をとったイントロだと思います。盆踊りのイメージなのでしょうか?少なくとも私は、「夏祭り」という歌詞を聞く前から夏の日本のイメージしかわいてきませんでした。ところどころ裏に入っている龍笛(いわゆるお囃子に使う笛ですね)も余計に夏感を煽ります。

    このタイトルをどういう意図で付けられたのかも作者のみぞ知るといったところでしょうが、まさにつぎの祭りへ、次曲へのいい導入になっていると思います。あとこのコンピでの数少ないしっかりした構成の曲でもあります。ちゃんとイントロがあって、メロがあって、間奏があります。サイケコンピの良心。でもAメロBメロサビとかじゃなく一つのメロディを終始使い続けるところが挑戦というか、ポップには迎合しないぞという強い意志を感じます。深読みかもしれませんが...

 

 

 

2.私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください

        ゆらぎと破片

 

    まず気になるのはミュートトランペットの謎フレーズのループ。右側で謎の弦楽器のようなものが鳴っていたり、地味にベースがビートを作り出していたりするのも気になります。少しするとノイズのようなオルガンのような音が鳴り始め、追いかけるようにノイズのようなギターのような声のような音が鳴り始めます。同時に、キックやハイハットも入ってきて一瞬ビートが形成されるかと勘違いさせられるのですが、それは間違いだとすぐに気づきます。このハイハットの野郎、仕事を放棄しています。一定のビートを刻んではいますが、それはBPMに全く関係がありません。というかこの曲にBPMが存在するかも怪しいです。

    お気づきかもしれませんが、私はトランペット以外に「フレーズ」という言葉を使っていません。それは意図的にです。たぶん、ゆらぎと破片さんは「曲」ではなく「音」を提供したいのではないでしょうか?

    ゴミとは、そもそも何も考えず作られ、何も考えず聴かれるものだという説もあります。頭を空っぽにして謎の浮遊感に包まれるのが、この曲の意図されている聴き方なのではないでしょうか?

    なお、タイトルは意味不明です。トランペットの音が目覚まし時計の比喩か?とか、この曲を聴いてる時に目覚まし時計(何かハッとさせるもの、転じて考え事の比喩)をセットするな、没頭しろということか?とか色々考えましたが結局答えは分かりません。

 

 

 

3.Planet Trash

         MSS Sound System

 

    最初、正直びっくりしました。あまりジャズに触れていない方などは、「なんだこれ?ふざけているのかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。これがフリージャズです。みんな好き勝手に叩いて吹いて鳴らして、それで気持ちよくなる変態の所業です。ですが、そんなオナニー中の人たちの上にMSSさんは図々しく自分のビートを乗せてきます。ビートなんてないも等しいですが、その中に一定のリズムを作り出します。後ろのジャズの演奏なんてガン無視なのがすごい。ちょっとは気にしてあげて。

    しかも、その後フッと最初からそんなもの無かったかのように上乗せされたビートが消え、かと思いきやまたビートを上乗せしてきます。一言でいうと、めちゃくちゃです。でも、僕はこれが「ゴミ」たる由縁だと思っています。ステーキもラーメンもカレーも美味いから全部合わせたろ!みたいな、そんな雑な精神が感じられる、それがこの曲から強烈なゴミを感じる理由です。

    タイトルはPlanet Trashですが、意訳するに「この曲が地球にとってのゴミ、産業廃棄物」的な意味を込めてるのでしょうか。残念ですがこの世界ではゴミですら愛されます。かっこいいぞPlanet Trash

 

 

 

4.発熱

         とーず

 

    僕の曲です。あんまり話すこともないですが、タイトルは後付けです。でもこの曲を聴いてるときの息苦しさや閉塞感があまりに「発熱」というタイトルにしっくりくるので相当気に入ってます。この曲は「安直廃棄物」を出したあと、どうしても納得がいかず提出した曲なのですが、今考えると正しい判断だったと思います。個人的にはこちらの方がゴミだと思えるからです。この曲は聴いてくれる方を裏切りたいという欲望から、展開や音使いが生まれています。

 

 

 

5.サイケ・トラッシュ・アンド・ダンス

         enaluke

 

    まず、イントロでギョッとしました。サイケでダークなリードフレーズの裏に、女性の囁くようなか細い声が入っているからです。この曲はタイトルにも「ダンス」とあるように、かなりダンス要素も強い作品だと思われます。また、歌が入ってきてからですが、ボーカルの声とトラックの温度が全く合っていません。正確には、それぞれの温度はどちらも高いという意味で多分同じではあるのですが、それぞれ向いている方向性が全く別です。トラックはなんだかハイになっていますが、ボーカルは躁状態のような、なんだかキマってる雰囲気を醸し出しています。そのせいかボーカルが相当調子外れに聴こえます。それも相まって、かなりこの曲が不気味に聴こえるのは私だけでしょうか?無邪気な子供が蛇を笑顔で切り刻んでいるのを見た時のような、気持ちの悪い恐怖が身を包みます。ダンスチューン(?)でそんな雰囲気を出せるのは本当に凄いと思います。人間は未知に対する恐怖がかなり強いので、歌詞がほとんど聞き取れないことも恐怖の一因ではないかと考えています。

    ただトラックはマジで何の意見を挟む余地もなくカッコイイです。イントロのフレーズが頭に残る。

 

 

 

6.T.R.Ash

         Jake

 

    かなり衝撃を受けた作品、また人物の1人です。最初はそう違和感も強くなく、ピアノメインの綺麗な曲かな、などと思いながら普通に聴いていると、20秒ほど経ったところで全てをぶち壊すような荒いスネア、続いて物凄い圧迫感の音の波と噛み合っていない違和感だらけの音響が迫ってきます。私はなぜか恐怖を感じました。が、同時にこの音の奔流を美しいとも感じました。緊迫感を煽る裏のサイレンのようなシンセ、それに寄り添うような優しいボーカルの声、途中のアクティブなドラムに対して優しいピアノやギター、その静かなパートに対して戻ってくる最初の違和感。違和感だらけなのに、美しいとすら思えるこの作品は私にとって衝撃でした。

    もうひとつ衝撃だったのは、JakeさんがTwitterのアカウントを消去し、跡形もなく居なくなってしまったこと。正直痺れましたね。カッコよすぎるだろ。ラストの作品がこれかよ。

    なお、Vocaloid Jukeでrjnkさんとスペシャルコンビを組んでいるらしき記述がありました。音楽活動はやめていないようでなんだか嬉しいです

 

OMOIDE LABEL×抹殺レコーズ  Vocaloid Juke

(‪ https://massatsu.bandcamp.com/album/omoide-label-vocaloid-juke‬)

 

 

 

 

7.20170101

         Ladypanther

 

    当初、タイトルを見てなんのこっちゃさっぱりだったのですが、後でこのコンピのリリース日である正月だと気づきましたw雑かよ、と思いましたが何かしらの意図があるのでしょうか?もしくは本当に雑だったのか?

    曲の方はかなりダークで、私の好みな感じです。初めに静かなノイズや環境音?が鳴り、突然胸を抉るような雑音じみた低音の波。個人の感想ですが、重力がねじ曲がるイメージを持ちました。上で警報のように鳴っているシンセもかっこよく、たまに聴こえる声なども緊張感を演出しています。暫く音が鳴った後はかなり重いビートが刻まれ、女性の喋り声?も追加されます。この喋り声が圧のすごい低音に対してぼそぼそか細くて不気味です。その後も激重ビートは続き、音に飲まれ続けますが、しばらくすると少し落ち着きます。が、相変わらず緊張感は解けません。それは周りで鳴っている声のような音や赤ん坊の泣き声、低く唸るノイズと色々あるのでしょうが...気の抜けない1曲です。十月十日の胎内旅行を追体験した気分になります。

    「私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください」のように、こちらも何か考えることなく唸る低音に身を任せる曲だと思います。曲に特別な意味を持たせておらず、感覚で制作したものであるからこそ、意味を持たない乾燥したタイトル「20170101」であると考えることも出来ます。

 

 

 

8.attention

         solidsmoke

 

    うるさいです。とにかくうるさい。ただ、エネルギーが半端ではない。殺すコンピの時にも感じたのですが、solidsmokeさんは感情や激情を音で表現するのがとても得意なのではないでしょうか。本当に半端ではないエネルギー量を曲から感じます。特にドラムがすげえ。キースムーンもびっくりな感じです。

    「attention」とは「注意」「配慮」といった意味ですが、これは注意を配るほうの注意なのか、それとも「こいつは危険だぞ」の注意なのでしょうか?個人的には「この曲危険だから注意」ということな気がします。だって危険ですもん。ドラムの音だけで殺されそう。たぶん〜8歳、70歳〜に対して完全犯罪を働こうと思ったらこの曲が使えるのではないでしょうか。

    最後に入っている咳の意図が気になります。咳払いで気の狂ったようなこの曲のテンションから我に返る意味合いなのか、それとも疲れてゲホゲホなったのか。solidsmokeさんが2曲提供していること、また2曲目の曲調から考えると前者のような気がします。

 

抹殺レコーズ 殺すコンピ

(‪ https://massatsu.bandcamp.com/album/--3‬)

 

 

 

9.洗濯屋の犬

         そりすも

 

    solidsmokeさんのそりすも名義での曲です。キヅミタさんもブログで言っていましたが、すごいバカみたいな、というか間の抜けた感じの歌い方や歌声だと思います。ずっと2小節間の同じフレーズを繰り返す伴奏(しかもリズムが不安定)、常に後ろで鳴っているノイズや洗濯機を回す音、色々気の抜ける、というか良い意味で拍子抜けする曲です。事前の曲がattentionであることも、この曲の滑稽さを際立たせています。多分、この曲はボーカルのアホそうさ加減を際立たせるために意図的にドラムレスです。最後に相当引き伸ばした犬の鳴き声が入っていることからも、この曲でさっき張った気を緩めて欲しいんだな、というのが伝わります。

    でもこれはサイケゴミコンピです。やはり一筋縄ではいきません。なんと伴奏は最初から最後まで1度もブレずに同じことを繰り返して終わります。雑。そしてそれがいい。タイトルも何とも言えない間の抜け方が秀逸です。

 

 

10.安直廃棄物

          とーず

 

    名前の通り安直なゴミです。名前は「安直な廃棄物は変わってくれない」「Cheap Trash」との三択でしたがこれにしました

    前述の通りゴミというものは「雑」「手抜き」がキーワードになっている説があるので、この曲では同じフレーズを最初から最後まで1度も止めずに使ってなんとか展開してみようと考えて作りました。よく考えるとなんとか展開してみようというそこが手抜きではないので、「発熱」を出すに至りました。ちなみに、メインとなっているフレーズはポケモンロケット団のアジトをイメージしています。とにかくサイケな音を鳴らそうと色々試しました。キヅミタさんが地味だと言ってくれてましたが、実は言われるまで気づきませんでした。言われてみればこれ展開してるようで全然してないですよね。勝手に盛り上がって勝手に帰っていくの笑っちゃう

 

 

 

11.笛のお姉さん

          rjnk feat.Maysys

 

    最初の怪音は怪人の鳴き声ではなく笛のお姉さんが吹いた笛です。全体の雰囲気としては甘くスモーキーな感じですし、途中まではノスタルジックというか、スモーク香るオレンジ色の夕焼けという感じです。ですが途中からは気の抜けるような、ともすれば恐怖を感じるようなギターのめちゃくちゃなノイズ(フレーズ?)が走ります。これがいい感じに雰囲気をめちゃくちゃにぶち壊してくれます。しっかり作り込まれているものを上からぶち壊すのがゴミっぽい。さらに追い打ちをかけるようにお姉さんが狂ったように笛を吹きまくる... ゴミだ

    これリアルタイムで見てたんですが、MaysysさんがTwitter上でふざけて吹いたリコーダーをrjnkさんがサンプリングして「これおもしれーから使う」って言ってこのフューチャリングが完成した記憶があります。マジかよ。こんな完成系になるとは予想だにしてませんでした。参りました

    一番わけがわからないのが、笛の音、雰囲気はぶち壊してるものの意外と曲そのものにはマッチしてるということです。マジでなんなんだ

 

 

 

12.みえるけむりのなかで

          キヅミタ

 

    これも全体的には甘めの曲です。だいたい3分くらいでと言われたにも関わらず9分超えという曲の尺がいい感じに不安感を誘います。外れているようで外れていない、調子外れなボーカルもいい雰囲気を出しています。何をどうやったらこのメロディになるんだ

    僕だけかもしれませんが、ビートを刻んでいるパーカッションとコードを鳴らしている甘いシンセの雰囲気が合っていない気がします。それが悪いとかやめた方がいいとかそういう訳ではなく、それがただの甘い曲止まりで終わらせないスパイスとなっているように感じます。

    三分ほどするとポーーという倍音のない心電図の止まったような不吉な音でドキッとさせられて曲が止まり、また何事も無かったかのように始まります。後にも、今までの雰囲気とは打って変わってハッとするような鋭い息継ぎのあとに鋭めのサウンドが鳴りますし、最後の方にも突然ビックリさせられるようなノイズが入っています。これがあることでそれ以外のゆったりしたパートが際立っていると思います。本人は催眠音声を作るつもりだと仰ってましたがこれどこに連れていきたいんだ。

    サイケゴミコンピを締めるにふさわしい、違和感と全てのゴミを包む優しさが詰まった曲だと思います。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

というわけでレビューでした。結構好き勝手言ってるので、テメーこのやろう的はずれなこと言ってんじゃねえって思う方はご一報ください。殴られる覚悟はできています

課題で小説を書いた話

お久しぶりです、昼夜逆転しているとーずです。

私、ゼミの課題で小説を執筆しました。供養的な意味も込めてここで発表したいと思います。

正直マジで駄作だと思うし、これを描くことで何がしたいのか何を伝えたいのかというものも一切ありません。ただ、「僕」が感じる・思うことは全部私のノンフィクションです。読んで哲学的インテリになった気分になって頂けると嬉しいです。

 

思考 - 思考 | 小説投稿サイトのアルファポリス

 

このためだけにこのサイトに登録しました

他人の曲をめちゃくちゃ真面目にレビューする

 こんばんは。身長が152cmしかないので小学生になめられるとーずです。

 今回は、土山時雨さんが今年11/14に投稿した曲「不自然なアクティビティ」について考察を垂れ流そうと思います。めちゃくちゃ深読みして書くので作曲者がなんとなくフィーリングで作った部分とかも意味を見つけようとしたりします。ご本人に見つかりましたが怒られませんでした。感謝。

 あと、曲の構成的に曲を聴いてからレビューを読むことをお勧めします。かっこいいので是非。

初音ミク 「不自然なアクティビティ」

www.nicovideo.jp

 

まず、この曲はリバーブのかかったとても綺麗なピアノから始まる。幻想的だ。曲のキーも暗くはなく、どことなく安定を感じる。

歌詞は「冷静に俯瞰 理論武装でさ 傷がないふり 傷がないふり」。

 ここの歌詞だが、何度聞いても僕にはどうしても「傷がないふり 気づかないふり」と聞こえる。もしかしたら発音はその通りで、歌詞はただのカモフラージュなのではないか、そう思える。そう考えると、「冷静に俯瞰 理論武装でさ」も、「冷静に俯瞰(しているつもり)」つまり、この曲の主人公(?)は、傷があるのにないふりをする、百歩譲って傷があるとしても気づかないふりをして、自分は大丈夫だと自分に言い聞かせることで冷静に俯瞰している”つもり”になっているのではないだろうか。ここの安定したサウンドは、まだ穏やかな主人公の精神状態を表しているのでは?

 この、主人公の”不安定さ”がこの曲の鍵になっている気がする。

 

 次の歌詞は、「持続的欠如 笑う輪廻 気づきたくない 気づきたくない 光」。

 持続的欠如を言い換えると、「常に足りない・欠けている」。これは自分の欠点か、もしくは退屈な日常か・・・そのあたりのことを表現しているのでは。また、そう考えると「笑う輪廻」は繰り返す失敗や退屈をあざ笑うかのように繰り返される毎日のことに見える。

 また、主人公は「気づきたくない」。ここも「傷がないふり 気づかないふり」だと確信した場所だ。

 

 さて、ここからだが、歪んだギター・ベース・ドラムが一斉に入ってきて暴れ散らす。テンポも何もない。ノイズとさえいえる。これが、「光」だと僕は思う。それも、ただ明るいだけではない光。何か主人公の精神を乱すような光だ。一瞬でノイズは消え、ドラムのハイハットがリズムを刻む。そして、またノイズが走る。この曲は、こうした情緒不安定な主人公の心情がサウンドに反映されているように思う。

 ちなみに、タイトルの「不自然なアクティビティ」だが、これは結局は違和感、異物のこと。これもノイズには意味として含まれているような気がする。不自然なアクティビティが検出された結果、拒絶反応としてノイズが走る・・・そういう構図。

 

 二番の歌詞(これ以降引用は割愛します)は、主人公の性格をより細かく描いている。主人公は逆の答え、皆と違う答えを言うことで自我・アイデンティティ・プライドが保たれる。つまり、皆と同じだと自分がわからなくなる=皆と同じ方向を向いていてもなお存在するはずの個性が、この主人公には存在しない。自分に自信がなく、個がない。だから自分を確立するために皆とは違う答えを求める。だが、そんなことで自分を見つけられるはずもない。自分を見つけるためのサーチライトはあまりに儚く、消えてしまいそうだ。

 そのあとは、同じようなことを繰り返すものに対しての辟易を「さびしいうた」で例えたものだと思われる。

 

 次はサビと思われる場所だ。ここは歌詞がかなり抽象的で解釈が難しいが、「忘れることすら忘れてしまった平凡人」は主人公のことではないか・・・?平凡を嫌うということは、自身が平凡であるということだ。そう考えると「平凡・退屈を嫌う主人公=平凡人」という構図ができる。

 

文字数が大変なことになりそうなのでこの辺にしておきます。ですが、僕が言ったポイントを知ってから見ると、二番以降もひとつの解釈に沿って、それなりに意味の通る歌詞やサウンドが見えてくるのではないでしょうか。

 

なお、これは私の独自解釈ですのであしからず。