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Phychedelic Trash vol.2に向けて

こんにちは、近頃の平均睡眠時間が15時間のとーずです。


最近、Phychedelic Trash vol.2というコンピに向けて色々考えまくっているのですが、もう煮詰まりに煮詰まり、煮詰まりすぎて焦げています。ゴミってなんだ?サイケってなんだ?映画音楽ってなんだ?禅問答と哲学の繰り返し、人生の意味まで考え出す始末です。手に負えねー

Phychedelic Trash vol.2

https://rjnk.tumblr.com/post/157648164251/psychedelic-trash-vol2-%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99


いや本当に難しいんですよ。僕の誇れるところを活かそうとストラヴィンスキーに頼ったり、バルトークに頼ったりしたんですがやっぱ慣れないことは駄目ですね。サンプリングできる人すごいですよ


というわけで、原点回帰、前回参加させて頂いたPhychedelic Trash vol.1(2017/1/1リリース)のレビューをしようと思います。

キヅ〇タさんに影響されたわけじゃありませんよ。違います、違いますったら。うわなにをするやめ

http://kidsumita.hatenablog.com/entry/2017/03/31/003741


というわけで早速始めていきます。


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Phychedelic Trash vol.1

https://rjnk.bandcamp.com/album/psychedelic-trash-vol-1



1.つぎの祭りへ 

        平田義久 feat. 初音ミク


    このコンピを再生して、最初に耳に入ってくるのがこれ。最初のティンバレスがなんだかレゲエです。そしてゴワァァァアンと豪快に鳴る銅鑼、その後のギター、平田さん本人はどういう意図で作ったかは分かりませんが、個人的にはダサさとかっこよさのちょうどいい中間をとったイントロだと思います。盆踊りのイメージなのでしょうか?少なくとも私は、「夏祭り」という歌詞を聞く前から夏の日本のイメージしかわいてきませんでした。ところどころ裏に入っている龍笛(いわゆるお囃子に使う笛ですね)も余計に夏感を煽ります。

    このタイトルをどういう意図で付けられたのかも作者のみぞ知るといったところでしょうが、まさにつぎの祭りへ、次曲へのいい導入になっていると思います。あとこのコンピでの数少ないしっかりした構成の曲でもあります。ちゃんとイントロがあって、メロがあって、間奏があります。サイケコンピの良心。でもAメロBメロサビとかじゃなく一つのメロディを終始使い続けるところが挑戦というか、ポップには迎合しないぞという強い意志を感じます。深読みかもしれませんが...




2.私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください

        ゆらぎと破片


    まず気になるのはミュートトランペットの謎フレーズのループ。右側で謎の弦楽器のようなものが鳴っていたり、地味にベースがビートを作り出していたりするのも気になります。少しするとノイズのようなオルガンのような音が鳴り始め、追いかけるようにノイズのようなギターのような声のような音が鳴り始めます。同時に、キックやハイハットも入ってきて一瞬ビートが形成されるかと勘違いさせられるのですが、それは間違いだとすぐに気づきます。このハイハットの野郎、仕事を放棄しています。一定のビートを刻んではいますが、それはBPMに全く関係がありません。というかこの曲にBPMが存在するかも怪しいです。

    お気づきかもしれませんが、私はトランペット以外に「フレーズ」という言葉を使っていません。それは意図的にです。たぶん、ゆらぎと破片さんは「曲」ではなく「音」を提供したいのではないでしょうか?

    ゴミとは、そもそも何も考えず作られ、何も考えず聴かれるものだという説もあります。頭を空っぽにして謎の浮遊感に包まれるのが、この曲の意図されている聴き方なのではないでしょうか?

    なお、タイトルは意味不明です。トランペットの音が目覚まし時計の比喩か?とか、この曲を聴いてる時に目覚まし時計(何かハッとさせるもの、転じて考え事の比喩)をセットするな、没頭しろということか?とか色々考えましたが結局答えは分かりません。




3.Planet Trash

         MSS Sound System


    最初、正直びっくりしました。あまりジャズに触れていない方などは、「なんだこれ?ふざけているのかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。これがフリージャズです。みんな好き勝手に叩いて吹いて鳴らして、それで気持ちよくなる変態の所業です。ですが、そんなオナニー中の人たちの上にMSSさんは図々しく自分のビートを乗せてきます。ビートなんてないも等しいですが、その中に一定のリズムを作り出します。後ろのジャズの演奏なんてガン無視なのがすごい。ちょっとは気にしてあげて。

    しかも、その後フッと最初からそんなもの無かったかのように上乗せされたビートが消え、かと思いきやまたビートを上乗せしてきます。一言でいうと、めちゃくちゃです。でも、僕はこれが「ゴミ」たる由縁だと思っています。ステーキもラーメンもカレーも美味いから全部合わせたろ!みたいな、そんな雑な精神が感じられる、それがこの曲から強烈なゴミを感じる理由です。

    タイトルはPlanet Trashですが、意訳するに「この曲が地球にとってのゴミ、産業廃棄物」的な意味を込めてるのでしょうか。残念ですがこの世界ではゴミですら愛されます。かっこいいぞPlanet Trash




4.発熱

         とーず


    僕の曲です。あんまり話すこともないですが、タイトルは後付けです。でもこの曲を聴いてるときの息苦しさや閉塞感があまりに「発熱」というタイトルにしっくりくるので相当気に入ってます。この曲は「安直廃棄物」を出したあと、どうしても納得がいかず提出した曲なのですが、今考えると正しい判断だったと思います。個人的にはこちらの方がゴミだと思えるからです。この曲は聴いてくれる方を裏切りたいという欲望から、展開や音使いが生まれています。




5.サイケ・トラッシュ・アンド・ダンス

         enaluke


    まず、イントロでギョッとしました。サイケでダークなリードフレーズの裏に、女性の囁くようなか細い声が入っているからです。この曲はタイトルにも「ダンス」とあるように、かなりダンス要素も強い作品だと思われます。また、歌が入ってきてからですが、ボーカルの声とトラックの温度が全く合っていません。正確には、それぞれの温度はどちらも高いという意味で多分同じではあるのですが、それぞれ向いている方向性が全く別です。トラックはなんだかハイになっていますが、ボーカルは躁状態のような、なんだかキマってる雰囲気を醸し出しています。そのせいかボーカルが相当調子外れに聴こえます。それも相まって、かなりこの曲が不気味に聴こえるのは私だけでしょうか?無邪気な子供が蛇を笑顔で切り刻んでいるのを見た時のような、気持ちの悪い恐怖が身を包みます。ダンスチューン(?)でそんな雰囲気を出せるのは本当に凄いと思います。人間は未知に対する恐怖がかなり強いので、歌詞がほとんど聞き取れないことも恐怖の一因ではないかと考えています。

    ただトラックはマジで何の意見を挟む余地もなくカッコイイです。イントロのフレーズが頭に残る。




6.T.R.Ash

         Jake


    かなり衝撃を受けた作品、また人物の1人です。最初はそう違和感も強くなく、ピアノメインの綺麗な曲かな、などと思いながら普通に聴いていると、20秒ほど経ったところで全てをぶち壊すような荒いスネア、続いて物凄い圧迫感の音の波と噛み合っていない違和感だらけの音響が迫ってきます。私はなぜか恐怖を感じました。が、同時にこの音の奔流を美しいとも感じました。緊迫感を煽る裏のサイレンのようなシンセ、それに寄り添うような優しいボーカルの声、途中のアクティブなドラムに対して優しいピアノやギター、その静かなパートに対して戻ってくる最初の違和感。違和感だらけなのに、美しいとすら思えるこの作品は私にとって衝撃でした。

    もうひとつ衝撃だったのは、JakeさんがTwitterのアカウントを消去し、跡形もなく居なくなってしまったこと。正直痺れましたね。カッコよすぎるだろ。ラストの作品がこれかよ。

    なお、Vocaloid Jukeでrjnkさんとスペシャルコンビを組んでいるらしき記述がありました。音楽活動はやめていないようでなんだか嬉しいです


OMOIDE LABEL×抹殺レコーズ  Vocaloid Juke

(‪ https://massatsu.bandcamp.com/album/omoide-label-vocaloid-juke‬)





7.20170101

         Ladypanther


    当初、タイトルを見てなんのこっちゃさっぱりだったのですが、後でこのコンピのリリース日である正月だと気づきましたw雑かよ、と思いましたが何かしらの意図があるのでしょうか?もしくは本当に雑だったのか?

    曲の方はかなりダークで、私の好みな感じです。初めに静かなノイズや環境音?が鳴り、突然胸を抉るような雑音じみた低音の波。個人の感想ですが、重力がねじ曲がるイメージを持ちました。上で警報のように鳴っているシンセもかっこよく、たまに聴こえる声なども緊張感を演出しています。暫く音が鳴った後はかなり重いビートが刻まれ、女性の喋り声?も追加されます。この喋り声が圧のすごい低音に対してぼそぼそか細くて不気味です。その後も激重ビートは続き、音に飲まれ続けますが、しばらくすると少し落ち着きます。が、相変わらず緊張感は解けません。それは周りで鳴っている声のような音や赤ん坊の泣き声、低く唸るノイズと色々あるのでしょうが...気の抜けない1曲です。十月十日の胎内旅行を追体験した気分になります。

    「私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください」のように、こちらも何か考えることなく唸る低音に身を任せる曲だと思います。曲に特別な意味を持たせておらず、感覚で制作したものであるからこそ、意味を持たない乾燥したタイトル「20170101」であると考えることも出来ます。




8.attention

         solidsmoke


    うるさいです。とにかくうるさい。ただ、エネルギーが半端ではない。殺すコンピの時にも感じたのですが、solidsmokeさんは感情や激情を音で表現するのがとても得意なのではないでしょうか。本当に半端ではないエネルギー量を曲から感じます。特にドラムがすげえ。キースムーンもびっくりな感じです。

    「attention」とは「注意」「配慮」といった意味ですが、これは注意を配るほうの注意なのか、それとも「こいつは危険だぞ」の注意なのでしょうか?個人的には「この曲危険だから注意」ということな気がします。だって危険ですもん。ドラムの音だけで殺されそう。たぶん〜8歳、70歳〜に対して完全犯罪を働こうと思ったらこの曲が使えるのではないでしょうか。

    最後に入っている咳の意図が気になります。咳払いで気の狂ったようなこの曲のテンションから我に返る意味合いなのか、それとも疲れてゲホゲホなったのか。solidsmokeさんが2曲提供していること、また2曲目の曲調から考えると前者のような気がします。


抹殺レコーズ 殺すコンピ

(‪ https://massatsu.bandcamp.com/album/--3‬)




9.洗濯屋の犬

         そりすも


    solidsmokeさんのそりすも名義での曲です。キヅミタさんもブログで言っていましたが、すごいバカみたいな、というか間の抜けた感じの歌い方や歌声だと思います。ずっと2小節間の同じフレーズを繰り返す伴奏(しかもリズムが不安定)、常に後ろで鳴っているノイズや洗濯機を回す音、色々気の抜ける、というか良い意味で拍子抜けする曲です。事前の曲がattentionであることも、この曲の滑稽さを際立たせています。多分、この曲はボーカルのアホそうさ加減を際立たせるために意図的にドラムレスです。最後に相当引き伸ばした犬の鳴き声が入っていることからも、この曲でさっき張った気を緩めて欲しいんだな、というのが伝わります。

    でもこれはサイケゴミコンピです。やはり一筋縄ではいきません。なんと伴奏は最初から最後まで1度もブレずに同じことを繰り返して終わります。雑。そしてそれがいい。タイトルも何とも言えない間の抜け方が秀逸です。



10.安直廃棄物

          とーず


    名前の通り安直なゴミです。名前は「安直な廃棄物は変わってくれない」「Cheap Trash」との三択でしたがこれにしました

    前述の通りゴミというものは「雑」「手抜き」がキーワードになっている説があるので、この曲では同じフレーズを最初から最後まで1度も止めずに使ってなんとか展開してみようと考えて作りました。よく考えるとなんとか展開してみようというそこが手抜きではないので、「発熱」を出すに至りました。ちなみに、メインとなっているフレーズはポケモンロケット団のアジトをイメージしています。とにかくサイケな音を鳴らそうと色々試しました。キヅミタさんが地味だと言ってくれてましたが、実は言われるまで気づきませんでした。言われてみればこれ展開してるようで全然してないですよね。勝手に盛り上がって勝手に帰っていくの笑っちゃう




11.笛のお姉さん

          rjnk feat.Maysys


    最初の怪音は怪人の鳴き声ではなく笛のお姉さんが吹いた笛です。全体の雰囲気としては甘くスモーキーな感じですし、途中まではノスタルジックというか、スモーク香るオレンジ色の夕焼けという感じです。ですが途中からは気の抜けるような、ともすれば恐怖を感じるようなギターのめちゃくちゃなノイズ(フレーズ?)が走ります。これがいい感じに雰囲気をめちゃくちゃにぶち壊してくれます。しっかり作り込まれているものを上からぶち壊すのがゴミっぽい。さらに追い打ちをかけるようにお姉さんが狂ったように笛を吹きまくる... ゴミだ

    これリアルタイムで見てたんですが、MaysysさんがTwitter上でふざけて吹いたリコーダーをrjnkさんがサンプリングして「これおもしれーから使う」って言ってこのフューチャリングが完成した記憶があります。マジかよ。こんな完成系になるとは予想だにしてませんでした。参りました

    一番わけがわからないのが、笛の音、雰囲気はぶち壊してるものの意外と曲そのものにはマッチしてるということです。マジでなんなんだ




12.みえるけむりのなかで

          キヅミタ


    これも全体的には甘めの曲です。だいたい3分くらいでと言われたにも関わらず9分超えという曲の尺がいい感じに不安感を誘います。外れているようで外れていない、調子外れなボーカルもいい雰囲気を出しています。何をどうやったらこのメロディになるんだ

    僕だけかもしれませんが、ビートを刻んでいるパーカッションとコードを鳴らしている甘いシンセの雰囲気が合っていない気がします。それが悪いとかやめた方がいいとかそういう訳ではなく、それがただの甘い曲止まりで終わらせないスパイスとなっているように感じます。

    三分ほどするとポーーという倍音のない心電図の止まったような不吉な音でドキッとさせられて曲が止まり、また何事も無かったかのように始まります。後にも、今までの雰囲気とは打って変わってハッとするような鋭い息継ぎのあとに鋭めのサウンドが鳴りますし、最後の方にも突然ビックリさせられるようなノイズが入っています。これがあることでそれ以外のゆったりしたパートが際立っていると思います。本人は催眠音声を作るつもりだと仰ってましたがこれどこに連れていきたいんだ。

    サイケゴミコンピを締めるにふさわしい、違和感と全てのゴミを包む優しさが詰まった曲だと思います。



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というわけでレビューでした。結構好き勝手言ってるので、テメーこのやろう的はずれなこと言ってんじゃねえって思う方はご一報ください。殴られる覚悟はできています