くらげのヤバ生活

話が長いです。不定期・亀更新です。

Psychedelic Trash vol.3とかいう問題作

どうも。ブログではめちゃくちゃお久しぶりです、髪が伸びすぎて友人から「出来損ないの米津玄師」と評されたとーずです。それ俺にも玄米師匠にも失礼だからやめろ。あと全然関係ないけど米津玄師と俺との身長差は36cmある。

 

さて。本日12月23日お昼ごろ、絶滅レコーズからコンピレーションアルバム、Psychedelic Trash vol.3がリリースされました。されてしまいました。

rjnk.bandcamp.com

 

このコンピはPsychedelic Trashシリーズの3回目で、僕は今のところ皆勤賞なんですが、本当にやりたい放題できるコンピなんですよね。

とりあえず宣伝をば。

rjnk.bandcamp.com

rjnk.bandcamp.com

ただ、ちょっと待ってくれ。vol.3、何かがおかしい。色々とおかしい。

そもそも何ですか3のこのジャケ。

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Psychedelic Trash vol.1のジャケの上に「3」って書いてあるのヤバすぎませんか?しかもXMASって書いてるところにTRASH上書き。雑という概念が形を成して顕現している。

 

 

まあいいです。とりあえず落ち着いて今回のコンピの概要を確認してみましょう。

rjnk — Psychedelic Trash vol.3 やります!

いいですか?コンセプトは頭に入りましたか?それではレビュー始めます。ぜひアルバムを聴きながらご覧くださいませ。

 

 

1.つなまよクン - よーこそ

 真っ当で可愛いクリスマスソングです。「よーこそ」というタイトルも、ジングルベルも、ボカロ(GUMI?)のコーラスもかわいい。そして最後までクリスマスソングを全うして終わります。強いて言うなら「うー」と「あー」と「メリークリスマス」しか言ってないのが雑?でもそれも気にならないくらい普通に可愛くて良いです。「ゆきやまちほー」って感じがする。癒し。良心。

  しかも始まり始まり、という雰囲気に満ちていますね。 

 このコンピではクリスマス要素が取り入れられてない曲が多かったのですが、この曲はとてもクリスマスソングです。導入としてとても優しい。とてもとても優しい。

 Welcome to よーこそ サイトラって感じで優しくサイトラまんをくれて、普通に景色の綺麗なところを案内してくれそうな感じ。何故ゴミ捨て場に行きついてしまったんだ。たぶん方向音痴なんでしょうね。かわいい。僕は何を言っているんだ。

 

 

2.マグロジュース feat.flower - ふなむしすし

 さて、雲行きがおかしい。さっきの安心を返せ。イントロでなんとなく「男女」を彷彿とさせるようなシンセリフ。そして突き刺さる合成音声の「フナムシスシ」。「ヘイオマチ」の直後にはflowerが、あの可愛いflowerが、

 

 

 

「ンアーーーーーーーーーーーー」

「オ、オエーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「無理~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

 

 

 何食わせてんですか。海の掃除屋ことフナムシを食わせないであげてください。

 そしてまた突然突き刺さる「イーヤーサーサー」というマグロジュースさんの生声。

 するとなんと、アカペラ&ボイスパーカッション(?)に。いや訂正、ボイスパーカッションじゃないですこれ。「うん。うん。うん。うん。」って言ってるだけです。バスドラムを舐めるな。そしてイントロのリフを微妙な空気感と優しい歌声で歌い上げるな。「お前んちの飼ってる猫パサパサして撫でにくい」ってどういうことですか?全く脈絡がない。

 そしてまたflowerが「おえーーーー」「おえーーーー」ってえづき始めたかと思いきや始まるアカペラでのケチャ。忙しすぎる。つーかバレないようにケチャに紛れて「ピカチュウ」って言ってるでしょ。奥でflowerもなんか「気持ち悪い~~~~~~」とか言ってるし。

 ごっくん音と共に曲はネチャネチャ部へと移行。さてはflower、ふなむしすし飲み込んだな。ねっとりした「ふなむしすし」の奔流を存分に楽しんだら、flowerが気持ちよくなって嘔吐。そして曲は再びアカペラ部へ。

 「うん。うん。うん。うん。」を繰り返し、かと思いきや突然挿入される「いいよ」。

 何が?

 そして「うん。うん。うん。うん。」再開。そのまま突っ切ってオチは

 

雲仙普賢岳

 

 は?

 

 カルデラの海に沈められた気分です。

 意味が一つもわからないですが、ただ一つだけ言えるのはこの曲はどこに出しても恥ずかしいゴミだということ。もちろん誉め言葉で言っています。僕はこういうコミカルな方面のゴミは新鮮な感じがしました。もしかしたらこの曲に意味なんてないんじゃないか…?

 「よーこそ」から入って油断したリスナーにドギツい一撃をくらわす、素晴らしい曲だと思います。少なくとも僕はネタ抜きで好き。

 

 

3.ゆらぎと破片 - 目の前の黒い塀が気に入らないので木魚を叩いて踊っています

 Psychedelic Trash vol.1の時から皆勤、ゆらぎと破片さん。特徴的な文章でのタイトルは健在で、一目で誰の曲だかわかりました。意味不明さも健在。前回なんか勝手に名前使われて化粧品のサンプル頼まれてましたし。

 今回、今までのサイトラに参加したゆらぎと破片さんの曲よりも目立った前衛的要素が少ないと僕は感じました。普通にかっこいい。ドラムがタイトでクール。おそらくサンプリングですかね?そして、テンポダウンしてシタールの演奏の逆再生の様な音遊び。「踊っています」要素はここなんでしょうか。しばらくシタールが鳴った後にまたタイトなドラムが戻ってくるのですが、これがシタール部分と対称的でパキパキしていてかっこいいです。ドラムが鳴っているときにはもれなく木魚が鳴っているのですが、この音がまた結構マッチしている。

 また、Psychedelic Trash vol.1でのゆらぎと破片さんの曲、「私の目覚まし時計を勝手にセットしないでください」で使用されたであろうギターの音も聞こえる気がします。同じ方の曲を時系列順に何曲か聴いていると面白い発見がありますね。

 ゴミというよりはサイケ寄りなのかな?と感じた一曲でした。

 

 

4.loveles - psycho dub

 今回のサイトラ3での良心その2、lovelesさん。普通に曲がかっこいいです。この曲もゴミというよりサイケデリックな感じ。シンプルに繰り返すベースリフ、段々重なっていく楽器群、かっこいい。

 人の声を音ネタとして使用していらっしゃいますが、これ音声ライブラリなんかに普通にあるのでしょうか?それとも何かの曲からのサンプリング…?僕はそっち方向にめちゃくちゃ疎いので気になりました。

 曲の中盤ではドラムのタイトなフィルインから、オシャレでかっこいいリズム主体へ。途中入るギターやギターと一緒に入ってくるボーカル音源?(Bobby McFerrinの歌声に激似だと思ったんですがサンプリングしてたりしますかね…)もクールでとても好きです。

 2:40くらいからのベース主体になる展開に僕は痺れました。かっけえ~~~

 

5.MSS Sound System - Called JAZZ

 出だしから音の奔流。ノイズ。「聴く毒(強め)」と言えるレベルです。シンセの段々上がっていく"ぶわあーぶわあーー"って音、MSSさん結構お気に入りで色んな曲に使ってますよね。このフレーズ「MSSさんだ~~」って思うし、とても狂気だと思います。好き。

 そして何より、この曲にはメロディもなければコードもなく、途中入ってくるjuke的なドラムが何とか音楽性を保っているのみ。いやメロディもコードもないノイズミュージックとかいうジャンルもありますけど、それは一般的には「音楽」だとは思われない領域。最高です。なんだか灰野敬二を思い出しました。そしてまた入る別のリズムパターン、重いキック。ツボですね。

 一つ残る疑問は、この曲のタイトルが「Called JAZZ」なことです。音楽的にはジャズ要素がほとんどないんですよね。サンプリング元にサックスらしき音が聞こえるかな…?くらい。

 僕は、音楽的な面ではなく精神的な面で、すべてのジャズに通じる(フリージャズというジャンルに特に特徴的な)「自由」「何でもあり」「やったもん勝ち」的な要素をこの曲に感じました。つまりそういうことなのでしょうか?

 

 

6.solidsmoke - 夜と星と雲と、貴方の最後のかがやき

 鉄板の人、そりすもさんことsolidsmokeさんです。インダストリアル畑の方だけあって、やはりリズムを担う楽器に鉄の香りがすることすること。一週目はタイトルや名前を見ずに聴いていたのですが、そりすもさんだと一発で分かりました。なんだかシンセの音からも鉄の香りがするようです。

 聴いているうちにそう感じてきたのですが、これはタイトルも含めてそりすもさんなりのクリスマスソングなのではないでしょうか?時折聴こえる女の子の声(蒼姫ラピスでしょうか?)が、鉄の頑健さや錆、荒々しさだけでなく、なんとなく冬の切なさや儚さも演出しているように思えました。

 このノイジーサウンドでこんな儚げな、ピアノでイントロが始まりそうなタイトルなのもなんだか趣があって、どこか虚無で、すごく良いです。好き。

 

 

7.たのしいマグロダンスP - 砂漠の重みをください

 はい来た。一番の問題作。ここからの5曲は連作です。一応一曲(曲…?)ごとにレビューしていきます。

 まず再生が始まってすぐこの右ストレートパンチ。環境音入ってますが大丈夫ですか。あ、大丈夫ですか。そうですか。あとプレミアムフライデーの割にそんなに嬉しそうじゃないですが大丈夫ですか?あ、大丈夫ですか。

 あの、この後の作品にも言えるんですけど、ずっと棒読みなうえに文脈がめちゃめちゃで、もういっそ怖いんですよね。曲なのかこれ?申し訳ないんですけど3週目くらいまでは声出して笑いながら聞いてました。すみません。いやすみませんじゃなくて。笑うでしょこんなん。

 金曜日の金曜日って何ですか?ムーンライト磁石現象ってなんですか?「そっか」ってなんですか?何をどう自己解決させたんですか?しかも全然興味なさそう。

 ああもうだめです。聞けば聞くほど抜け出せない。ぶっちぎりでゴミ。れっきとしたゴミ。でもなんかハマる。助けてください。アルバムって何?

 

8.たのしいマグロダンスP - 不安定な家

 なんでこんな不安定なんやはこっちの台詞です。お願いだからせめて音楽を奏でて。裏で友達にギターを弾かせないでください。というかご友人の方、声入ってます。録音中は気を遣ってあげてください。あとステファニーのことは許してあげて。つーか自分で言って自分で笑うな。

 

9.たのしいマグロダンスP - お散歩に金塊は要らない

 もう意味が解りません。いや今までの作品ただの一度もわかってないんですけど、2が妄想の数字って何?何をどうしたらそんな発想が出てくるの?天才なんですか?ツイッターでは割とまともに会話できてたじゃないですか…

 それと「じゃあ3は女性のおっぱいなんか?あ?」じゃないです。そもそも2も女性のお尻ではないです。

 

10.たのしいマグロダンスP - ツンドラ

 もうこれがとてもまともに見えてきました。一番ワードチョイスや言葉の響きが綺麗だと思います。恋とか満天の桜とか。あとさっきから気づいてたんですが、タイトル一切関係ないですよね?土を大盛にすな。

 

11.たのしいマグロダンスP - DONGURI

 指に詰まった土は汚いので洗ってください。世界を壊さないでくれ。どーん ぐりっ☆彡じゃないです。それをタイトルにするな。

 間違いなく圧倒的にぶっちぎりで文句なしのナンバーワンのゴミです。今回のMVG。モストヴァリアブルゴミ。おめでとうございます。魚介類ってヤバいですね。

 

 

12.C.C.C.P. - Live950723

 ギターの音から始まり、濃い、それは濃いメタル色の音がかき鳴らされます。これ、タイトルからしてもしかして1995年7月23日のライブ音源なのでしょうか?それにしてもかっこいい。勢いがすごいですね。サイトラvol.1でsolidsmokeさんが発表した曲「attention」を思い出しました。メロディの不在だとかゴミっぽい要素はあるんですけど、ギターがギュンギュンに歪んでるからそれだけでかっこいい。僕も一応男の子なので。

 声もいい声をしていると思います。定型的なデスボイスでもなければ、キーキーしてるわけでもなく(それも好きですが)、素敵。悪い意味ではなく、濁声というか。曲が終わって最後のほうになんか別の曲が若干入ってるのもかなり雑で好感度アップです。なんか上から目線っぽくなっちゃってすみません。好きです。

 

 

13.鈴木O - 空転

 ゴミという定義の生みの親?鈴木Oさんです。40秒弱と短いですが、楽曲はなかなかの濃さです。息が詰まりそう。音使いや音の連打具合が聞き手をよく疲弊させてくれます。しかも、40秒無い中にしっかりストリングス(?)やORIGAMI-Iの声を入れています。

 主観的な話になってしまいますが、鈴木Oさんの曲はORIGAMI-Iを使っているからでしょうか?全般的に歌詞が聞き取りにくい(これはけして否定的な意味で言っているわけではありません)のと、聞き取れた部分があってもタイトルとの関係性が見つからないので、サウンドも相まってどこか神秘的で陰のある印象です。音の使い方が大きく関係してくるでしょうが、今回はその「陰」の部分を強く感じました。

 鈴木Oさんは普段サンプリングで曲を作っていらっしゃいますが、これもやはりサンプリングなのでしょうか?

 

 

14.loveles - baiao

 サイトラ3における良心その2、lovelesさんの2曲目。これはイントロからギターがカッコよすぎます。超クール。ベースもシンプルなリフながらキマっていて最高にかっこいい。サンプリングか、演奏か、はたまた打ち込みか…途中入るサイレンのようなシンセやゲームの様な8bitシンセもいい味を出しており、合間に入るギターソロがチープなシンセの音と対になって浮き彫りになり、とてもかっこいいです。

 また、後半の盛り上がりではブラスセクションも入ってきて、金管楽器プレイヤーの僕としてはテンションが上がります。

 完全に偏見と憶測で発言しますが、ラップを嗜まれる方はこのビートにのせて韻を踏みたくなってしまうのではないでしょうか。僕はこの曲に合わせて愛器のトロンボーンを持ってセッションしたくなりました。聴いて良し、演って良しの素晴らしい曲だと思います。

 

 

15.ebizil - コインランドリーの宇宙的共鳴から導き出す感動

 全く関係ない、完全に僕が言いたいだけの情報ですが、以前僕もコインランドリーを題材に使って曲を書いたことがあるのでとても親近感が湧きました。すみませんそれが言いたかっただけです。

 曲は、ワクワクを感じさせるような低音マシマシのリリースが長いキックに、空間を埋めるような不穏なシンセたちが期待と不安を煽ります。途中からはドラムンベース(ジャンル合ってますか?)のようなリズムパターンのドラムトラックをのせ、疾走感のあるダークでクールな雰囲気を醸し出しておりとても好みの曲です。混沌とした空気感がサイケデリック。偏見ですがアングラなヤバめのお店でこの曲が店内BGMとして流れてそう。

 

 

16.硬いとば - 十三階で埃がたった

 最初からカオスです。「ぽよ~ん」と形容されそうな音に、ノイズのような不協和音、拍子やリズムの欠落、歌うことを放棄した電子音声のボーカル。右から聞こえる歪んだギターの様なノイズと左から聞こえるねっとりとした不協和音が混ざり合って恐怖すら生んでいます。この曲を夜中に聴いたら泣きそう。途中からはピアノ?も積極的に不協和音を鳴らし、低音のうなり声のような音がさらに恐怖を煽る。右耳がヤバい。なんだか儀式的で、この記事を書いている今もマジで怖くなってきました。コンセプトの一つである「貰っても嬉しくないプレゼント」はぶっちぎりでこれです。呪われそうだもん。

 歌詞もタイトルも意味不明。布団の上でケチャをする状況って何ですか。まず聞き取れないのも怖い…十三階っていうのもなんだか不吉ですね。なんとか考察してみようと思ったりもしたのですが、さすがに情報不足なのと意図が汲み取れないので断念。ゴミですねえ~。誉め言葉です。

 この曲からは、なんだかクラシックの現代音楽に似通ったものを感じます。カールマイヤーとかと似た臭いを俺の耳は嗅ぎつけた。もしかしたら本当に何の意味も脈絡もなく音が鳴っているのかもしれませんが、何か意図を感じさせるような説得力がこの曲にはあるような気がしました。気のせいかもしれませんね。

 

 

17.Jake - 白い息、背中を丸めて

 しばらく姿を消していたJake氏、復活です。Jakeさんも鈴木Oさんと同じくサンプリングで曲を作るタイプの方です。イントロ、僕は知らない曲ですが、普通に綺麗。かと思いきやすぐにキーの合っていないギターのアルペジオフレーズがさも当たり前かの様に乗ってきます。リズムトラックの金属感のある音がなんとなく冬や雪を連想させる、というのは考えすぎでしょうか。いやいや、ギターも深いリバーブがかかっているフレーズを選んでサンプリングされているので、きっと音から感じる寒さは意図されたものであって、気のせいではないはずです。そうであってくれ。違ったら恥ずかしい。

 中盤からはミクの歌声も入りますが、やはり見事に伴奏のキーとあっていません。というか合わせる基準のキーはどこだ。Psychedelic Trash vol.1に収録されているJakeさんの曲「T.R.Ash」でも、サンプリングされているミクの歌声はそういった使われ方をしていましたね。「違和感」と「ゴミ」は密接に関係している、という解釈でいいのでしょうか。

 ただどちらの曲にも共通して言えるのが、不協和音だらけで違和感ばかりの音の重なりのはずなのに、どこか美しいということです。これはもしかすると、調べてみたら鈴木Oさんの提唱した「イノセンス」と共通する部分もあるかもしれませんね。どこかの誰かがゴミとイノセンスの関係性について論文を書いてくれるのを待ちましょう。

 

 

18.suppaピスタチオ - あわてていいざんす

 先程も少し触れた「イノセンス」がボーカロイド界隈で囁かれるようになった頃からボーカロイド界隈に殴り込みをかけ、今まで全く関わりのなかったボーカロイド文化をスポンジのように吸収したヤバいお方、suppaピスタチオさん(ツイッターでは「スッパマイクロパンチョップ」)の楽曲。

 タイトルと音がアホみたいなのに、なんか音楽的素養というか、そういうものを感じるんですよね。シンセの音?音の重ね方?なんだろう、理解できません。普通にゴミです。でも良い。なんか理性的で思想的な気がする。そうでなくとも、55秒という短い時間でそう勘違いさせられる力を持っている時点で、この曲は「つよいゴミ」の称号を受け取ってもよいのではないでしょうか。

 

 

19.鈴木O - 四限

 キングオブゴミ、サティさんのゴミではないクラシック曲「ジムノペディ」にのせて歪んだギターの音が聴こえます。このギターの音、僕は最初に聴いたときパッと浮かんだ形容詞が「甘い」だったんですよね。なんでだろう。何度聞いても「甘い歪み」としか形容できません。

 また、「空転」より歌詞が聞き取りやすいです。歌いだしは「夏の匂いがした 窓の外」と聞き取ることができました。

 ここから思い起こされるのは、やはり「イノセンス」です。ピュア。どこまでもピュアな心象風景。鈴木Oさんはサイトラ3で2曲収録されていますが、こちらの曲のほうが音が優しく、また違和感も少なめですよね。恐らく鈴木Oさんはこちらの「四限」では「ゴミ」より「イノセンス」を表に出して作曲されたのではないでしょうか。とても美しいです。曲の短さも儚さに拍車をかけていて素晴らしい。

 

 

20.キヅミタ - 謝罪

 すみません、さすがに笑ってしまいました。

 これ、キヅミタさんの生声による本気の謝罪です。要約すると、自分が号泣する泣き声を使った曲を提出するつもりが、借りた映画を見ても全く泣くことができず、失敗しちゃってすみませんということらしいです。説明してて自分で笑っちゃってるじゃないですか。こんなん笑いますよ。ずるい。

 あと後ろに副音声みたいな、謎の合成音声(たぶん英語)が流れてるのもシュール。何でこれを入れたのかわけが分からないです。

 それと聞きたいんですが、たのしいマグロダンスPさんと打ち合わせしてないですよね?なんで「音楽すら流れないただの語り」という要素が「音楽アルバム内」で丸被りするんですか?え?

 ただ、これ即興で喋ってるとしたらかなりの話術だと思いませんか?

 話が面白い。さすがだと思いました。

 あれ?これ俺何のレビューしてるんだっけ?

 音楽アルバムで「話が面白い」ってレビュー何なんだよ。最後のメリークリスマスが取って付けたような感じなのが高ポイント。

 

 

21.rjnk - こんばんわ

 サイトラシリーズを通して主催・マスタリングもされているrjnkさんです。一貫して鳴っているベースはサンプリングでしょうか。シンプルながらも飽きない。それに骨のあるドラムが加わり、めちゃくちゃかっこいいです。ブラスもナイスすぎる。単品で聞いたら間抜けに聞こえるであろうジョンレノンのピッチ上げた声もなんだかカッコよくハマっている。

 それと、ドラムに耳を澄ませてみると、rjnkさん家ご在宅の大御所アーティスト、オカメインコのポコさんの声が聞こえるんですよ。ご本人から伺ったのですが、ロバート・ジョンソンカーティス・メイフィールドビートルズジョン・レノンレッド・ツェッペリンオカメインコが混ざっているそうです。全く違和感がないどころかサウンドを昇華させているポコさん、やはりタダモノではない。So this is Christmas.

 

 

22.loveles - reggae xmas

 真っ当なクリスマスソング第二弾です。やはりまともなクリスマスソングを出したのはサイトラの良心だけでしたね。

 冬を感じさせるストリングス、雪をイメージさせるキラキラしたウワモノ、跳ねるレゲエベース、リズムトラックの絡みがとても良い。普通にいい曲です。砂漠を歩いていたらオアシスが見つかった感じ。サイトラに君臨するオアシス。エロいサックスや女性コーラス、ギターのしっとりしたフレーズも聴き入ってしまいますね。メリークリスマス。

 これも14曲目のbaiaoの様に、聴いて良し、演って良しの曲(ラップつけたりボーカルつけたりできそうですね)だと思います。この状態で完成されてはいますが、これに自分ならこういうメロディを乗せるな~なんて考えるのも、音楽の一つの楽しみ方ではないでしょうか。

 

 

23.とーず - 煩悩

 僕の曲です。一人だけ時間を飛び越えて既に年越して、除夜の鐘を鳴らしています。すみません。ちなみに鐘は曲中できっちり108回鳴っています。綺麗なゴミを作ろうとした結果こうなりました。

 ぎりぎりまでタイトルを「胎動」にするか「煩悩」にするか迷っていたのですが、結果「煩悩」にしてよかったと思っています。また、曲の尺も結構悩んだのですが長い曲を提出したのは僕だけだったので結果オーライでした。

 僕は楽曲がゴミである要素のひとつとして、「冗長」「退屈」「雑」などを自分で勝手に掲げているので前奏が1分超、後奏が5分超とかいう曲になってしまいました。本当に難しいです。ゴミは哲学。

 

 

24.平田義久 - 主題、要旨と序論。(Remix)

 Psychedelic Trash vol.1で一曲目を飾った平田義久さんが、年内最後のサイトラでトリを飾りました。この曲めちゃめちゃかっこいいです。

 もんもんと耳に来る効果音的な音から始まり、段々とシンセのフレーズがフェードインしてきて、今度はそれがどんどんうねって崩れていきます。そしてやがてシンセの音は元に戻り、楽器が加わってハンドクラップやノイズのような音の奔流に飲み込まれたのち、ブラスセクションが入り、疾走感たっぷりのなんとなく日本民謡っぽいフレーズが奏でられます。この構成やテンポ感、間なんかが素晴らしい。全然飽きない。ハンドクラップでライヒを思い出してしまいました。もしかしてオマージュ?

 また、2:26あたりからのオルガンソロが見もの。スリリングでスタイリッシュ、息もつかせぬ展開に心奪われます。

 この曲はリミックスということですが、原曲がとても気になります。一応検索もかけてみましたが見つかりませんでした。平田さんが販売しているLPなどに収録されている曲なのでしょうか。

 ゴミと呼ぶのは失礼でもったいない曲かもしれませんが、12月は師走と名の付く月ですし、そのバタバタ感も表してくれているこの曲でPsychedelic Trash vol.3の締めとするのはとても良いのではないでしょうか。

 

 

 

 以上、Psychedelic Trash vol.3のレビューでした。

 コンセプトを守れ。特に俺。気が早い。